郷學とは

郷學とは



学問には知識を広め事物の理法を究めることと、
自分を修める修養の学とがある。  

修養の学とは、第一に、人生いかなることが起きても湛然(たんぜん※1)と処し得るように、
「人間学」を修めることである。  

第二は、地方郷党(きょうとう※2)の先賢(※3)を顕彰(けんしょう※)し、
その風土に培われている学問を振興して、
志気(※5)を振起することであり、これを「郷学(きょうがく)」という。  

歴史を繙(ひもと)くと、
民心が頽廃(たいはい)した時にこれを救ってきたものは、
中央の頽廃的な文化の影響を受けず、
純潔な生活を保っている地方郷村の志士の力であった。
この道理はいつの世でも変わりがない。  

このような意味から、常に郷党の先賢の事績を探り、
その人物学問によって
それぞれの郷里に確固たる信念と教養を持つ人材を養成することが
「郷学」の目的である。

※1 湛然…落ちついて静かな様子。
※2 郷党…郷里を同じくする人々。
※3 先賢…昔の賢人。
※4 顕彰…埋もれていた善行・功績などを広く世間に知らせること。
※5 志気…ある物事を行おうとする意気込み。